どんな恋がお好きですか 恋愛小説

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どんな恋がお好きですか 恋愛小説

人はそれぞれの好きを形にしていく。

(小林核斗)「国枝ー。これ、人数分コピーして配っといて」

(国枝恋鳥)「あ、はい」

私、国枝恋鳥。22歳。事務職。茶髪に寝癖隠しのふわふわパーマ。仕事中は後ろに束ねて作業。

あ、お茶も運んでおこう。

ノックをして会議室に入る。

静かに人数分のお茶を置く。今日は暑かったから冷たいお茶を用意した。

さて、自分の仕事の続きに戻る。

しばらくすると、

(小林核斗)「国枝、お茶ありがとな」

そう言って手を頭の上にポンッと置いた。

小林核斗。爽やかで頼れる上司。

ありがとうって言われた…小林さんに。

嬉しい…。

(来川武)「良かったな、小林さんに頭ぽんぽんされて」

にやにやする来川武。

私と同期。茶髪の短髪。

(国枝恋鳥)「見てたの?!」

(来川武)「まぁな、営業行ってきまーす!」

武は去年から営業担当になった。よく、飲みに行く仲。私が小林さんのこと好きなことも知っている。武にも好きな人いるみたいなんだけど教えてくれない。言ってくれれば相談にのるのに。

(高田水子)「国枝さん、今日もお昼一緒に良いですか?」

(国枝恋鳥)「うん!食べよ食べよ!」

高田水子。二つ下の後輩。人付き合いが苦手らしく、一人でいることが多かったから、前にお昼に誘ってみたら、それがきっかけで一緒になることが多くなった。ただ…周りから地味子と呼ばれている。

黒髪に不揃いの前髪。メイクもほとんどしていないみたいだし。とりあえず、前髪だけでもそろえてみたらと進めたら、翌日眉下くらいの長さに揃っていて彼女に似合っていた。

(国枝恋鳥)「わぁ水子ちゃんの卵焼き美味しそう!」

(高田水子)「よかったら、食べますか?」

(国枝恋鳥)「いいの?ありがとう!いただきま〜す!…うん美味しい!水子ちゃん本当料理上手だよね。羨ましいなぁ」

頬を染める水子ちゃん。

(高田水子)「普通ですよ」

(国枝恋鳥)「ふふ、なんだか学生に戻った気分。」

(高田水子)「国枝さんはどんな学生だったんですか?」

(国枝恋鳥)「うーん、一言で言うとギャルかな。金髪にピアスに…うん、問題児だった!ふふ」

(高田水子)「想像つかないです。」

(国枝恋鳥)「そう?」

2人で笑い合った。

気がつけば退社時間

もうこんな時間!急がなきゃ!

(国枝恋鳥)「お先に失礼します!お疲れ様です!」

パラパラとお疲れと言う声が飛び交う中、急ぎ足で会社を出た。

間に合うかな…

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数分後。

間に合った!小さなライブスタジオ

爆音が響きわたる。

キキ!私の友人。ホワイトローズのボーカル。やっぱりキキは格好いいなぁ。夢中で楽しんだ。

はぁ、間に合って良かった。終わるの待ってようかな。

もうちょっと低いヒールの靴履いてくればよかった…。

脚痛い…。かかとを見ようとしたとき、ドン…人にぶつかってしまった。

(国枝恋鳥)「すみません!」

チャラン…

(ユウキ)「…」

相手のブレスレットが私のバックのチェーンと引っかかってしまい、切れてしまった。

(国枝恋鳥)「ごめんなさい!」

(ユウキ)「お前、俺が誰か分かってるか?」

(国枝恋鳥)「え?」

(バンド仲間)「ユウキー!なにしてんの?早く来いよー!」

ユウキ?彼は私を冷たいまなざしで見た後、離れていった。

(キキ)「それたぶん、ブラックロードだよ!」

(国枝恋鳥)「そうなの?」

(キキ)「うん」

ここは行きつけのバー。

(キキ)「おれ様で有名だよ」

そうなんだ…。バックからあるものを取り出す。

(国枝恋鳥)「これってブランドものだよね?」

(キキ)「これ、どうしたの?!めったに手には入らない物だよ!」

落としたまま去ってしまったから思わず拾ってしまった。

そのことをキキに話すと

(キキ)「そのままにしたってことは、もういらないってことなんじゃない?チェーンも切れちゃってるし」

(国枝恋鳥)「うーん、そうなんだけどさ…ちゃんと謝りたいな。」

(キキ)「じゃぁ、次のライブもくる?ブラックロードもいるよ!もしかしたら会えるかも!」

(国枝恋鳥)「うん、そうするよ!ありがとうキキ!」

キキはフリーターをしながらバンド活動をしている。夢を持ってる人は皆、尊敬している。中途半端っていう人もいるけど、私はそうは思わない。何かに夢中にになれるって素敵なことだ。だから、そんなキキを私は尊敬しているし応援もしている。

よし!ユウキにちゃんと謝ろう!

(来川武)「恋鳥ー!給料入ったし、飲み行こうぜー!」

(国枝恋鳥)「ごめん!今日は無理!あ、水子ちゃん誘ってあげてよ。たまには先輩らしいことしてあげなさい!」

一瞬不機嫌そうな顔した武だったけど、

(来川武)「上から目線で言うな!」

ぽんっと頭をたたかれた。

(国枝恋鳥)「痛いなぁ!もう…」

(来川武)「高田さん、飲み行く?」

(高田水子)「あ、はい!」

水子ちゃん嬉しそう。よかった。こうやって少しずつ人に慣れてくれると良いんだけどな。

さて、目的のもの買いに行こう。

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数時間後…帰宅。

疲れた…。選ぶのに二時間もかかちゃった。買い物で二時間なんてかけることほとんどないからな。あと…チャラン。切れちゃったブレスレットをストラップに作り直してもらった。

(小林核斗)「国枝おはよう」

(国枝恋鳥)「あ、おはようございます!」

(小林核斗)「はは、国枝はいつも元気だな」

小林さんはいつも爽やかですね。心の中で呟く。

(高田水子)「国枝さん、おはようございます。」

(国枝恋鳥)「おはよう…え?!水子ちゃん?!」

(高田水子)「はい」

にっこり笑う彼女は…

(国枝恋鳥)「髪型とメイク…私そっくり…」

今までの水子ちゃんとは別人だった。

(小林核斗)「国枝ー。コピーとお茶頼むー。」

(国枝恋鳥)「あ、はい!」

(高田水子)「私、今手開いているので私やります!」

え…そこにある書類まだ途中でしょ?

(小林核斗)「俺は国枝に頼んでる。国枝、頼むな?」

優しく微笑む小林さん。

(国枝恋鳥)「はい!」

(来川武)「恋鳥ー。今日こそ飲み行くぞー!」

最近断ってばかりだもんなぁ。>

(国枝恋鳥)「うん!いいよ」

(来川武)「お、じゃ、行くか!」

(高田水子)「飲みに行くんですかー?私も入れてください!」

水子ちゃん…最近人が変わったみたいにがらりと変わった見た目、喋り方も。前の水子ちゃんの方が私は好きだった。

(来川武)「あー、高田さんはまた今度ね」

武がこんな顔するの珍しい。無表情。

(高田水子)「…分かりました」

…どうして私を睨むの?私何かした?

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居酒屋

(来川武)「高田さんがああなったの俺のせいかも」

(国枝恋鳥)「え?どうして?」

(来川武)「前に二人で飲んだときにさ、どういう人がタイプですかって聞かれたから恋鳥みたいなのがタイプって言った」

(国枝恋鳥)「え?」

(来川武)「俺、ずっと恋鳥が好きだ。」

ずっと仲の良い同期だと思ってた。

(国枝恋鳥)「私は…」

(来川武)「分かってる、今でも小林さんが好きなんだろ?」

(国枝恋鳥)「じゃぁ…」

(来川武)「それでも好きなんだ。」

そっと私の頬に大きな手が触れる。

(来川武)「泣くなよ…」

気がついたら涙が溢れていた。

(来川武)「返事は急がなくていいから。考えてくれないか?」

(国枝恋鳥)「うん、わかった。ちゃんと考える」

(来川武)「おう!今日は飲もう!」

二カッと笑う彼は少し無理しているように思えた。私はただ大きく頷いた。

(高田水子)「国枝さーん、おはようけございます!」

しっかり巻かれた巻き髪。

(国枝恋鳥)「おはよう、水子ちゃん、仕事中は髪結んでね」

(高田水子)「このほうが可愛いじゃないですかー」

可愛い?

(国枝恋鳥)「そういう問題じゃないの!」

声が思わず大きく響いた。

(小林核斗)「国枝、どうした?」

心配そうに声をかけてくれた小林さん。

(高田水子)「小林さん、聞いてくださいー。国枝さん、パーマかけてるのに私のパーマ注意するんです…」

何で…?

(小林核斗)「そうなのか?」

真っ直ぐな瞳で私をみる小林さん。

(国枝恋鳥)「あの…」

(来川武)「違いますよ。俺聞いてましたけど、恋鳥はパーマかけてることを注意してた訳じゃないんです。結ぶように注意してたんですよ。」

(高田水子)「来川さん…酷い」

(小林核斗)「酷いのは高田の方だ。最近仕事も手を抜いてるという声も上がっている。今日はもう帰っていい。頭冷やせ。」

高田さんは下唇をかみしめ何も言わず帰って行った。

高田さんは会社に来なくなった。

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数日後

ライブの日

ブラックロードのボーカルのユウキに会いに来た。

ライブが始まり一瞬静まる。そして始まる熱狂。初めて聞くユウキの歌声。周りの雑音が消えて彼だけの声が耳に響く。甘く低く…色っぽい。これがユウキ…。凄い存在感。不覚にも見とれてしまった。終わった後、移動する時をねらう。ブラックロードがスタジオからでてきた!

待っていたファンたちが群がる。よし、行け、私。

(国枝恋鳥)「ユウキー!」

私の声は自分でもびっくりするくらい大きくでた。ファンもこっちを見ている。私は平常心を意識してユウキに近寄った。

(国枝恋鳥)「覚えてないかもしれないけど、前にあなたのブレスレット壊してしまってごめんなさい!同じブランドの違うデザインのブレスレットと壊してしまったブレスレットをストラップに作り直してもらったので、良かったらうけとって!用事はそれだけです!じゃ!」

この人混みから早く抜け出したい!

ユウキ唖然としてたな、ふふ。はたからみたら私怪しい人だったかな。

あ、キキにも会いに行こう。

数日後

高田さんが久々に会社に来ていた。武も一緒だ。

(高田水子)「どうしてですか?!何であの人じゃないとダメなんですか?!」

(来川武)「今の君は少しも綺麗じゃない、いくら恋鳥のまねをしたって恋鳥にはなれないよ。高田さん」

そこまで冷たい言い方しなくても…。

近づこうとした。誰かに手を引かれた。

(小林核斗)「行くな、今行けば話がややこしくなる。」

小林さん…

(国枝恋鳥)「こんなときに言うのは場違いかもしれませんが私、小林さんが好きです。」

(小林核斗)「はは、唐突だな。ありがとう。俺も好きだよ。仕事仲間としてな」

そんなこと

(国枝恋鳥)「分かってます。言いたくなったんです。高田さんみたいに思ったことはっきり言ってるのを見てたら、ふふ」

(小林核斗)「国枝は単純だな」

ははと笑う彼はやっぱり素敵な男性だ。

でも、ずっと実らない想いを背負いこむより前へ進みたい。素敵な恋がしたい。

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数日後

(キキ)「恋鳥!ユウキになにしたの?!」

休日の昼、カフェでコーヒーを飲む私にキキは興奮していた。

(国枝恋鳥)「え?キキに話したじゃない。お詫びしたって。それだけだよ?」

(キキ)「ユウキが恋鳥に会わせろって私に言ってきたんだよ?!あのユウキが!」

(国枝恋鳥)「どうして、キキと私が友達だって知ってたんだろう。」

(キキ)「そんなの、こっちが聞きたいわよ!それより会うの?会わないの?…まぁ断る選択肢はないと思うけど…」

数時間後

(国枝恋鳥)「ここで会うの?」

(キキ)「そうみたい、私はこれで帰るけど、けっして怒らせないようにね」

そうしてあっけなく去っていったキキ。

ここは行きつけのバー。

(ユウキ)「おい」

低い声が耳に響く。

(国枝恋鳥)「ユウキ…くん」

(ユウキ)「呼び捨てでいい、あの時みたいに」

(国枝恋鳥)「わかった。ところで私に何の用事?」

彼はグラスを見つめ淡々と話し始めた。

(ユウキ)「ここ、俺の行きつけでもある。よくお前を見かけてた。マスターと楽しく話すお前、突然泣き出すお前、笑うお前、ずっと見てることしかできなかった。あの時、不覚にも奇跡だとさえ思った。」

そう言って左腕を私に見せた。あ、ブレスレット。私があげた、黒い羽がついた小さい水晶のブレスレット。そして、スマホにはストラップ。あの壊れたブレスレットの。

(ユウキ)「嬉しかった、ありがとう。」

私のおでこにキスをした。

(国枝恋鳥)「え…」

(ユウキ)「はっ、驚きすぎ」

静かに笑うユウキに心がぎゅうと苦しくなった。今までにないほどに。

(ユウキ)「次のライブも見に来て欲しい」

(国枝恋鳥)「うん、見に行くよ」

(ユウキ)「これ、受け取って新しい曲のCD、感想聞きたい、連絡先教えろ」

それから、毎日のように連絡をとった。楽しいときも、辛いときも、不安の時も、気がつけば彼は私の大きな存在になっていた。

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(国枝恋鳥)「おはようけございます」

(来川武)「おはよう」

(国枝恋鳥)「あれ、高田さんまだ来てないの?」

また休み?

(小林核斗)「高田なら昨日いっぱいで辞めたよ」

(国枝恋鳥)「え…」

(小林核斗)「言っとくけど国枝のせいじゃないからな。精神状態が不安定で入院したんだ。」

(国枝恋鳥)「そうだったんですね…」

(小林核斗)「だから、そんな顔するなって…あ!」

え?

(女性)「核斗ー!お弁当忘れてるー!」

綺麗な女性が小林さんに飛びついた。

(小林核斗)「ここ会社!!連絡してから来てっていつも言ってるだろ?」

ああ、もしかして

(国枝恋鳥)「彼女さんですか?」

(小林核斗)「ああ、今年中に結婚予定。」

そっか、結婚か…。あれ…わたし、それほどショックうけてない。

(キキ)「それ新しく恋してるんだよ」

キキに電話で相談した。

(国枝恋鳥)「嘘…」

(キキ)「じゃぁ目を閉じてみて…今、一番会いたい人…誰?」

真っ暗…あ、浮かんだ。

(国枝恋鳥)「ユウキ」

(キキ)「恋鳥、自分に正直に動いて。何もしないで後悔するより何かを得て後悔したほうがましだよ!」

(国枝恋鳥)「そうだよね!ありがとう。キキ!」

ユウキにメールした

あなたが好きです。

翌日

(国枝恋鳥)「武、ちょっといい?」

(来川武)「俺、振られるんだな。お前の顔見れば分かるよ。すぐには無理かもしれないけどまた仲良い仕事仲間でいような!」

(国枝恋鳥)「うん、ありがとう」

泣きそうになった。でも、今泣くのは違うよね。だから笑顔でいた。

メールが届いた。画像付きで

(ユウキ)「俺もお前が好きだ。二人でつけような。」

私があげたブレスレットの色違いの白のブレスレットの画像。

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