可愛くない私にあいつは恋してる 恋愛小説

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可愛くない私にあいつは恋してる 恋愛小説

小さくて可愛いものが好き。ふわふわして、いい匂いがして。

(女子1)「悠〜、クッキー食べる〜?」

(水戸田悠美)「美味しそう、作ったの?いただきます。…うん、美味しい。君の愛情を感じるよ」

(女子1)「もうー、悠ったら恥ずかしいー」

(女子2)「ずるいー!私も明日作ってくる!」

(水戸田悠美)「本当?じゃぁ朝ごはん抜いて楽しみにしてるよ」

(女子2)「やん!絶対美味しいの作ってくるからね!」

女の子は本当に可愛い。ふわふわして甘くていい匂いがする。… そんな私も一応女だけどね。

私、水戸田悠美。可愛くて小さいものが好き。身長は高い方。体型は細め。男っぽい口調。茶髪のショートヘアーに切れ長の目。

(加川類大)「あ、悠〜ちゃんだ、今日も女の子にモテモテだね!」

(水戸田悠美)「その呼び方やめろ、それと嘘くさい笑顔も」

加川類大。女の子好き。やたらと私に絡んでくる。うっとうしいやつ。緩いパーマにピンクベージュの髪。整った顔立。悔しいけど女の子にモテる。

(瀬野田大智)「おう、悠美。スカートめくれてパンツ見えてっぞ」

(水戸田悠美)「嘘?!」

急いでスカートを整える。

(瀬野田大智)「は、嘘。見えててもお前のパンツなんて誰も興味ねぇよ」

(水戸田悠美)「殴られたいか?」

(瀬野田大智)「おお怖っ」

そう言って笑うのは瀬野田大智。俺様な性格。アッシュブラウンの髪に赤いピアス。

(渡利透)「うるさい」

(瀬野田大智)「ああ?うるさいのはこいつだろ」

(水戸田悠美)「はぁ?!喧嘩売ってきたのそっちだろ!」

(渡利透)「だからうるさい」

そう言ってため息をついたのは渡利透。クールで切れ長の目。サラサラの黒髪

全員同じクラスってストレスたまる…。

だって。…

(クラスメート女子1)「類大くん髪はねてる。」

(加川類大)「ほんとう?直してー?」

そう言って女の子の方に頭を傾けた。そして私と目が合うとにっこりと笑みを浮かべた。絶対わざとだ!

私の可愛い子猫ちゃんが…。

(クラスメート女子2)「瀬野田くん、ここ分からないんだけど教えてくれないかな?」

(瀬野田大智)「面倒…どこが分からない?」

そうして異常に距離を縮めて遠くから見ていた私を見てにやりと不適な笑みを浮かべた。こいつもか!頭いいからって!

(クラスメート女子3)「きゃー、虫!虫!」

(渡利透)「うるさいよ、今とってあげるからじっとしてて」

…無駄に格好いいし…。私だって虫くらい平気だし!

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休憩時間

はぁ…何かいろんな神経使って疲れた…。

机の上でうつ伏せになっていると

(得尻由香里)「悠美ちゃん」

心地いい女の子の声。

(水戸田悠美)「由香里ー!抱きしめていい?癒されたい!」

ばっと顔を上げた私にちょっと驚いた後、笑顔で

(得尻由香里)「うん、私でよければ」

そう言ってくれた彼女は、得尻由香里。サラサラの黒髪のロングヘアー。私と違ってクリクリの目が可愛い。でも、ちょっと人見知り。私には普通に接してくれる。

(水戸田悠美)「由香里、良い匂いするし柔らかい」

(瀬野田大智)「お前はセクハラオヤジか!」

(水戸田悠美)「良いじゃんか女どうしだし、なぁ?由香里」

(得尻由香里)「う、うん」

(瀬野田大智)「得尻困ってるだろ、…お、俺ならいつでも抱きついてもいいけど?」

(水戸田悠美)「気持ち悪いこと言うなよ、今鳥肌たった」

瀬野田は顔を赤くして

(瀬野田大智)「お前なぁ!俺がどんな思いで…」

言葉をつまらせた。

(加川類大)「悠〜ちゃん、大智はね、不器用な男の子なんだよ」

(瀬野田大智)「類大!余計なこと言うな!」

(水戸田悠美)「何の話してんの?」

(得尻由香里)「ふふ、悠美ちゃんモテて羨ましい」

口元に手をあて笑う由香里。

(水戸田悠美)「ちょっと、由香里まで変なこと言うなよ、じんましんでる」

(瀬野田大智)「だから!お前失礼だろ!」

(渡利透)「うるさい」

そう言いながらこっちに向かってくる渡利。

(渡利透)「…水戸田。妹がだだこねてる」

(水戸田悠美)「るる?どうした?なにかあった?」

(渡利透)「今さっき母さんから連絡きた。熱だしたらしく、あずけてパートに行くつもりが、だだこねてお前がいねぇと嫌だと」>

るる、透の妹。三才。何故るるが私を知ってるのか、それはうちが保育園経営してるから。ときどき手伝いをしている。その時にるると仲良くなりそのあとから渡利の妹だと知った。

(水戸田悠美)「分かった。由香里ごめん、先生に早退したって伝えといてくれる?」

(得尻由香里)「うん、わかった」

(渡利透)「わるい、」

(水戸田悠美)「気にするな。ほら、行くよ」

(渡利透)「ああ」

(水戸田悠美)「私、今日自転車だから後ろ乗って」

(渡利透)「かして」

そう言って私の自転車を軽々と持ち上げ自転車置き場から出して自転車にまたがった。

(渡利透)「女の後ろに乗れない、だから俺が前にのる」

女扱いされた…。何…胸の奥モヤモヤする。

(水戸田悠美)「何いってるんだ。渡利くらい軽々乗せれる。…でも今日は後ろに乗ってやる」

(渡利透)「ふ、行くよ」

(水戸田悠美)「おう」

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数分後。

(渡利透)「着いた」

(水戸田悠美)「家お邪魔して大丈夫?」

(渡利透)「いいよ」

鍵でドアを開けて中に入る。

(水戸田悠美)「お邪魔します」

バタバタと足跡が響いて小さな影が飛び込んできた。

(るる) 「ゆーちゃん!!」

(水戸田悠美)「るる、こんにちは。」

(渡利透)「悠美ちゃんごめんなさいね、るる、だだこねちゃって…」

(水戸田悠美)「いいですよ。るる、良い子にできるよねー?」

(るる)「うん!ゆーちゃんとにーちゃんと一緒!良い子できる!」

(水戸田悠美)「パート行ってください、るるちゃん見てるんで」

(渡利ママ)「ありがとう、助かるわ。お礼にデザート買って帰ってくるわね」

申し訳なさそうな顔をした後、頬笑む渡利ママ。渡利はパパ似なのだろう。渡利ママは小さくて可愛い雰囲気の人。

(水戸田悠美)「行ってらっしゃい」

(渡利ママ)「行ってきます。透もよろしくね」

(渡利透)「わかってるよ」

(るる)「ゆーちゃん遊ぼー!」

(水戸田悠美)「るる、お熱あるだろ寝んねしてないと」

(るる)「じゃー絵本読んでー!」

(水戸田悠美)「よし、何読もうか」

(るる)「一緒に寝んねしてして!にーちゃんも!」

(渡利透)「俺も?」

るるを挟んで川の字になってベッドの上で絵本を読んだ。るるは絵本を読み終わる頃には眠りに入っていた。

(渡利透)「寝たか」

(水戸田悠美)「うん」

そのとき

(るる)「ま、ママ…」

むにゅ。るるの手が私の胸に。

(水戸田悠美)「…」

(渡利透)「…悪い」

気まずい。

(るる)「ん、ママ?ママは?」

(水戸田悠美)「起きちゃったか、ママお仕事だよ。良い子にしてたら帰ってくるからもう少し待ってよ?」

(るる)「うーー、ママ!ママ!」

(渡利透)「るる、ちゃんと帰ってくるから我慢できるだろ?」

(るる)「やだぁー!ママー!ママー!」

(渡利透)「るる!」

兄の顔をする渡利。いつもクールな渡利。やっぱりお兄ちゃんなんだな。

(水戸田悠美)「るるこっちおいで」

そう言ってるるを優しく包みこんで背中をとんとんした。

(水戸田悠美)「寝んねしたらすぐママ帰ってくるよ?」

(るる)「ほんとう?」

(水戸田悠美)「うん、ほんとう。るる、良い子だからちゃんとママ帰ってくるよ。だからもう少しだけ待ってような?」

(るる)「…うん」

(水戸田悠美)「るるは偉い子だ」

とんとん、とんとん。背中を優しくたたいた。すると、すぅすぅ寝息が聞こえてきた。

(渡利透)「水戸田は凄いな、るる寝付き悪いのに」

(水戸田悠美)「まぁこう見えて環境のおかげで子供の面倒は、なれてるからな」

(渡利透)「…そうか」

目を細めた…。柔らかい笑顔。鼓動が早まる。

目を閉じ、るるを抱きしめた。

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あれ…気がつけば部屋が薄暗くなっていた。それと暖かくて重たいものが腰に乗っている。ゆっくり起き上がると渡利の腕が私の腰にまわっていた。

(渡利透)「あ、起きた」

(水戸田悠美)「私も寝ちゃったのか」

そのとき。

ガチャ

(渡利ママ)「ただいまぁ」

その声にるるがおきた。

(るる)「ママ?!ママー!」

るるは渡利ママに飛び付いた。

それからは夕飯をごちそうになり、デザートを食べ、帰宅した。

その間まともに渡利の顔を見られなかった。

翌朝学校

(得尻由香里)「悠美ちゃん、おはよう」

頬笑む由香里。…癒される。

(水戸田悠美)「由香里ー、やっぱり私は由香里が好きだー。」

(得尻由香里)「ふふ、きゅうにどうしたの悠美ちゃん、でも私も悠美ちゃん好きだよ」

(加川類大)「俺も悠〜ちゃん好きだよー。大好きー!」

由香里と教室で話していたら気がつけば側に現れた加川。

(水戸田悠美)「聞いてないし、私は由香里が一番なんだよ、加川は興味なし」

(加川類大)「え〜、じゃぁこれから色々俺を知ってよ!そしたら好きになるかもよ?」

私が加川を?

(瀬野田大智)「あり得ないな」

瀬野田…。

(加川類大)「大智聞いてたのー?じゃぁ勝負する?俺本気だよ」

(水戸田悠美)「ちょっとまて!話が見えない」

(加川類大)「悠〜ちゃんにぶいから遠回し止めた!女の子として好きなの。だから好きになってもらえるように俺頑張ることにした!大智も同じ気持ちだよね?」

(瀬野田大智)「ああ」

(水戸田悠美)「は?何、冗談言ってんだよ」

(渡利透)「冗談じゃない、俺も同じ気持ちだし」

いつの間にか私の後ろに渡利が立っていた。

(得尻由香里)「悠美ちゃん…三人の気持ち気づいてないの悠美ちゃんくらいだよ。少なくともクラスメートは皆知ってるよ。見ててわかるもの」

そう言って困ったように微笑んだ。

(水戸田悠美)「私は!女の子が好きなんだよ!可愛くてふわふわしてて…だから!」

(瀬野田大智)「それは異性としてじゃねぇよ。本当の恋を俺が教えてやる。」

何…私は女の子が好きなんだよ。男子に恋なんか…。

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休憩時間

廊下から可愛らしい声が響いた。

(北川姫香)「類くんいますかー?」

(クラスメート女子1)「あれ、隣のクラスの北川姫香じゃない?」

(クラスメート2)「あー、ちょっと有名だよね。あの子、加川くん目当てだって」

(クラスメート1)「そうそう、いい噂聞かないけどねー。」

北川姫香…。私には関係ない。

(加川類大)「えーと、北川さんだっけ?どうしたの?」

廊下に出ていった。会話は聞こえなかった。

何…。何で気になるんだよ。

放課後

(水戸田悠美)「由香里、帰ろう」

(得尻由香里)「うん」

二人で教室を出て廊下を歩いていた時

(北川姫香)「水戸田さん」

後ろから呼ばれ振り返った。…子の声、北川姫香。

(水戸田悠美)「由香里ごめん、今日は先に帰ってて」

(得尻由香里)「え、でも、」

(水戸田悠美)「私なら大丈夫だ」

そう言って微笑んだ。北川姫香の他に三人女子がいた。それも嫌な予感しかしない。由香里を巻き込むわけにはいかない。北川姫香が呼んだのは私の名前。だから用があるのは私だけ。

(北川姫香)「ついてきて」

言われるがままついていった。裏校舎で足を止めた。

(北川姫香)「類くんを一人占めしないでよ、付き合ってもいないくせに。」

(水戸田悠美)「どうしようと加川の自由だろ、お前が決める権利はないだろ」

(北川姫香)「!偉そうなこと言わないでよ!」

パン!頬に刺激が走る。女の子は好きだけど

(水戸田悠美)「一人じゃ何もできない、集まることで強くなった気でいる女の子ってみじめにしかみえない」

パン!また頬に刺激が走った。

(瀬野田大智)「何で抵抗しないんだ」

(北川姫香)「大智くん…」

(瀬野田大智)「気安く呼ぶな」

鋭い目付きをする瀬野田。こんな瀬野田始めてみた…。

(水戸田悠美)「どんな卑怯な子でも女の子には手をあげないって決めてるから」

(瀬野田大智)「お前なぁ…、赤くなってる」

そう言ってそっと私の頬に手を添えた。温かい。ドクンドクン。おちつく。瀬野田の体温…。

(北川姫香)「大…瀬野田くん、私達…」

(瀬野田大智)「このこと類大には伝える、類大はああ見えて冷めてるところあるから覚悟しとけ…悠美行くぞ」

手を引かれた。

(水戸田悠美)「ちょっとっ」

女の子達は立ち尽くしていた。

コンビニに寄って瀬野田は冷えピタを買い、私の頬にはりつけた。ひんやり…気持ちいい…。

(瀬野田大智)「お前自覚しろ、どんなに男っぽく振る舞っても女なんだよ」

そんなこと

(水戸田悠美)「…分かってるよ」

(瀬野田大智)「送る」

静かだ。でも心臓の鼓動は身体中に響き渡っているように感じた。

(水戸田悠美)「…ありがとう。今日は助かったよ」

(瀬野田大智)「俺はいつだって」

(瀬野田大智)「俺はいつだってお前をみてるんだよ、覚えとけ」

(水戸田悠美)「…ストーカー」

(瀬野田大智)「!お前!可愛くねぇな!」

(水戸田悠美)「私が可愛かったら気持ち悪いだろ、じゃぁまた明日」

そう言って家のドアを開けて中へ入った。ドックンドックン。まただ、この感じ。

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翌朝学校

(得尻由香里)「悠美ちゃん風邪ひいた?大丈夫?」

(水戸田悠美)「うん、ちょっとな、大丈夫だよ」

(加川類大)「悠〜ちゃんマスクしてるー、どーしたの?風邪〜?」

加川…、教室に入ってくるなりこっちにきた加川。北川姫香に叩かれた頬が思いの外腫れてしまい、マスクで隠すはめになった。

(瀬野田大智)「腫れたのか?」

(水戸田悠美)「瀬野田」

気がつけば側にいた瀬野田。

(加川類大)「何の話?」

(瀬野田大智)「昨日、お前を呼び出した女に何を言った?」

(加川類大)「え、北川さんに何かされたの?マスクとって?」

そう言ってマスクに手をかけて外した。赤く腫れた私の頬。

(水戸田悠美)「大したことない。すぐに腫れも引くよ」

(加川類大)「…ごめん、俺のせいだ。悠ーちゃんのこと好きだから付き合えないって告白断ったから…」

(瀬野田大智)「もっと違う断り方あっただろうが!こいつに恨みがむくこと考えなかったのかよ!」

(水戸田悠美)「瀬野田落ち着け、私なら大丈夫だから」

(瀬野田大智)「どこがだよ!あの時俺がいなかったらもっと傷ついてたかもしれなかっただろ!」

ざわつく教室。

ああ!もう! ガバ!

(水戸田悠美)「落ち着け、大丈夫だ大丈夫」

ぽんぽん

(瀬野田大智)「な?!放せ!!」

(水戸田悠美)「駄目だ、冷静になるまで放さない」

私は瀬野田を抱きしめ背中に手をまわしてぽんぽんと優しくたたいた。

(瀬野田大智)「悠美!…わかった。冷静になるから放せ」

そっと瀬野田から離れた。

温もりが残ってる…。温かかった。

(加川類大)「悠…ちゃんごめんね…」

そう言って私の頬に触れようとした。

パシッ

(瀬野田大智)「触るな。その前にお前はやることあるだろ、昨日の女のこと。」

けれど触れることはなかった。

(加川類大)「…そうだね、ちゃんとケジメつけてくるよ」

加川は背を向けて教室を出ていった。

(渡利透)「あんな類大初めて見た」

(水戸田悠美)「渡利」

(渡利透)「ああ見えて、アイツ冷めたてるところあって女どうしのいざこざは見て見ぬふりするんだよ…あんな顔、よっぽど水戸田のことが大事なんだな」

(瀬野田大智)「傷つけてからじゃ遅いだろ」

(渡利透)「そうだな」

(水戸田悠美)「私はこのくらい大したことない」

(渡利透)「大きさの問題じゃない、傷付いたことが問題なんだよ」

(瀬野田大智)「お前は女なんだ」

またそれか。嫌気がさす。

(水戸田悠美)「もういい!聞きあきた!そんなこと私が一番よく分かってる!」

教室を飛び出した。

(瀬野田大智)「悠美!」

勢いのまま屋上に足を踏み入れた。

(水戸田悠美)「はぁはぁ…」

声が聞こえる?

隅の方で影が見えた。

(北川姫香)「水戸田さんのほうから暴力ふってきたんだよ!ほら、私腕怪我したの…」

(加川類大)「じゃぁその腕巻くってよ、怪我見せて」

(北川姫香)「え…」

北川姫香と加川?

(加川類大)「怪我したんでしょ、見せてよ」

(北川姫香)「…」

(加川類大)「くだらない嘘つかないでよ。北川さんは傷つけられた方じゃなくて傷つけた方でしょ。2度と悠ーちゃんと俺の前に現れないで、今度彼女に何かしたら俺許さないから」

(北川姫香)「…ごめんなさい」

走ってくる音がしてとっさに影に隠れた。彼女は出ていった。私はまだ屋上にいる加川に声をかけた。

(水戸田悠美)「加川」

私がいたことに驚いた顔をした後、悲しそうに笑った。

(加川類大)「ごめんね、悠ーちゃん…」

(水戸田悠美)「もういいって気にするな」

加川の手がそっと私の頬に触れた。温かい…。

(加川類大)「俺、悠…ちゃんのことが一番大事なのに、傷つけちゃった…、好きな女の子傷つけるとか最低だよね…。でも手放したくない。悠ーちゃん、側にいて俺の側に」

そう言って私を優しく抱きしめた。ドクンドクン。鼓動が響き渡る。最近の私は変だ。加川に手を引かれ教室に戻ったあと、いつもどおり授業を受けた。だけど加川の温もりが忘れられなかった。でも脳裏に浮かんだのはアイツの顔だった。

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放課後

(瀬野田大智)「悠美送る」

(水戸田悠美)「一人で帰れる」

(瀬野田大智)「送るって言ってるだろ、いいから帰るぞ」

強引に手を掴まれた。触れてる手が熱い。

なにも言わない…。

なにか言おうと口を開いた時

(瀬野田大智)「俺の気持ちは変わらない。側にいてほしい…はっお前顔真っ赤。やっぱり女だな。どんなに男っぽくしても俺から見たら悠美は誰よりも引き付けられる女だ」

恥ずかしくて熱い。でも心地いい熱さ。

(水戸田悠美)「私は女の子も好きだよ」

(瀬野田大智)「ああ知ってる、でも恋愛感情はないだろ。俺を好きになれ損はしない」

優しく私の頭を撫でた。もやもやする。息苦しい。私は…瀬野田をどう思ってる?

夜夢を見た。

“(瀬野田大智)「やっぱりお前いらない可愛いげないしな」

待って!行かないで!

(瀬野田大智)「お前の本音がわかんねえよ。じゃーな。」

どうして?私は…私は!”

バッ

(水戸田悠美)「はぁはぁ…夢、私…瀬野田のこと…」

朝目が覚めたら私にはある思いが芽生えていた。

朝学校

屋上

(水戸田悠美)「…いた、なにしてんの、授業始まるよ」

(瀬野田大智)「天気いいからサボる」

あお向けに空を見上げる瀬野田。私は瀬野田の隣に腰掛け同じくあお向けになった。

そして、そっと手に触れた。

(瀬野田大智)「な?!なにしてんだよ?!」

(水戸田悠美)「瀬野田…大智の女になってもいいよ」

(瀬野田大智)「…は?」

(水戸田悠美)「だ、だから!彼女になってもいいよって言ってるだろ!」

ガバ!

突然抱きしめられた。

(瀬野田大智)「本当か?!」

(水戸田悠美)「ほ、本当」

離れたかと思ったらおでこに優しくキスをされ

(瀬野田大智)「すげえ嬉しい!」

幼い子供みたいな笑顔で笑った。

(加川類大)「あーあ、悠〜ちゃんとられちゃった」

(渡利透)「仕方ないだろ、水戸田が決めたことなんだから」

加川と渡利が屋上の扉にもたれて立っていた。

(瀬野田大智)「手、出すなよ」

(加川類大)「はは、出さないよ。悠〜ちゃん幸せにね」

(渡利透)「手は出さないが、るるとはたまに遊んでやってくれ保育園で」

(水戸田悠美)「おう!」

嬉しい!

きっと忘れられない記念日だ。

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