ヨシオ 恋愛小説

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ヨシオ 恋愛小説

キーンコーンカーンコーン。いつもの鐘の音、いつもの席、いつもの時間、何もかも同じ、変わらない毎日。そのようなことを毎日思っている。

「ヨシオー修学旅行一緒の班になろう」と実が言う。僕は緩急なく「わかった。」と一言だけ言う。僕のことを客観的にみると素っ気なくて、面白みのない人だと思われるだろう。でも、自分で言うのも面白いが女子には人気がある方だと思う。

「ヨシオは修学旅行の班決まっているー?私達とペアになろーよ!」普通の女子よりは声が高い奈那美が言う。僕が答える前に実がすかさず「いーよ」と教室中に轟く声で答える。

僕のいる竹林小学校は名前の通り、周辺に竹と林しかない。ここら辺一帯の地区は、修学旅行に京都へ行く学校が多い。僕の小学校も例外ではない。

僕のいる6年三組は男子3人女子3人が一つの班になり二泊三日の旅行プランを考え旅行(学習)する。

僕の班には、まだ男子が一人足らない。こんな、寡黙な僕にも仲の良い男友達が二人はいる。言わずもがな、一人はこの何時もハイテンションで周囲を巻き込むお調子者の、そう、実だ。

もう一人は何故か実と仲の良い、本好きの薫だ。薫は、名前と同じく小柄で男か女か区別できないくらい女らしい。顔も整っており羨ましいとさえ思うほどだ。

実も時折、薫に向かってスポーツしたらモテると煽っているのを見かける。

実はハイテンションなだけあってクラスのムードメーカーだ。顔立ちも男らしく年下からモテている。そんな彼らと友達で、誇らしいとさえ思う。

僕に声をかけてくれた奈那美は、何故かよく僕に話しかけてくる。

そんな時、実が熱い視線を僕に送る。僕は気づかないふりをしているが、きっと実は奈那美のことが好きなのだ。

奈那美と僕は幼馴染で、小さい頃から一緒だ。腐れ縁とでもいうのだろうか、何か、男女混合班のグループ決めや班活動などがあると声をかけてくる。

僕は、寡黙な性格から昔は友達と呼べる存在はいなかった。そんな時、実が声をかけてきた。

正直、最初は驚いた。こんなにも性格が違う人間と話しが合うのか、悩んだ時さえあった。

その時、僕は実の目線に奈那美がいることに気づいた。実はきっと奈那美と近く親しい僕と仲良くなることで奈那美に近づこうとしたと。

僕の性格が曲がっているって?いやいや。男なんてそんな事もあるだろ。

実際、最初の数か月は無理やり話をしている感じで、奈那美と話している時決まって話しかけてきた。

しかし、ある日奈那美を交えて電車で30分くらいかけショッピングセンターへ出かけることになった。

3階建てのショッピングセンターには食品売り場もゲームセンターもスポーツ用品店も、何から何まで揃っていた。僕は不意に地震が起きたらここで避難しようと思った。

あるスポーツ用品店の前にさしかかった時ふとボクシング用品を見に行ってもいい?と言った。

すると、実がすかさず「お前、ボクシング好きなのか?」と大きな声でいった。それはそれは、フロワー全体に轟く声だった。

僕がボクシング好きなのはそんなにも意外なことなのか、、。

確かに、、そうかもしれない。そこから僕に対する実の呼び方がお前から名前に変わった。

薫との出会いは、ショッピングセンターに行ってから数日後だ。

僕と実がボクシングという共通の趣味で仲良くなってから毎日、実に新しい世界について教えてもらった。

新しい世界といえば大袈裟だが、ゲームセンターやボーリング、ビリヤードにダーツ。どれも小学生が始めるにはハードルが高いものばかりだ。

大きなハードルに金銭面があげられる。

そんなある日、何時ものように新しい世界、ゲームセンターに行った時ひときわ注目を浴びている人がいた。僕達もその人混みの中に分け入ってその人のゲームさばきをみた。

ゲームはリズムに合わせてドラムを叩くものだった。 曲が始まった。

赤、青、緑、黄と様々な色の粒が画面の上から下へものすごい勢いで降りてくる。タイミングよく画面下にある一定の場所でドラムを叩いているようだ。

そう、早すぎて叩いているようだになってしまう。見えない。

ただ、コンボ数だけが増えていくので叩けていることは判断できる。一曲の演奏が終わるまで約5 分、長いようであっとゆう間だった。

ドラムの世界へ取り込まれていたようだった。曲が終わった瞬間周りからのどよめきが伝わった。演奏者が席を立ち振り返った。どんな奴かとか身構えて見ていたら、薫だった。

何時も教室の隅で本ばかり読んでいる薫の意外な一面だった。その時からゲームセンターに行けば薫と話すようになり、次第に学校でも会話するようになった。

僕達3人はこうして友達になった。偶然なのか運命なのか、わからない。たとえ僕達3人だけのクラスで何年も月日が経ったとしても友達になることはなかったと思う、実と薫。出会ったきっかけ、周りの環境、それらの外部因子により友達になった気がした。

こいつらがいて良かったと思える存在、何か一つ違ったらこの気持ちはなかったと思う。そんな、人間の儚さを感じる時がある。

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修学旅行3日前、とうとう修学旅行が始まる寸前まできた。修学旅行中の自由プランも大詰だ。

一緒に行動する奈那美以外の女子2人、千里と美咲は異様なまでの旅行好きで殆ど彼女達2 人のやりたいことで予定は埋まった。

奈那美は誰とでも仲良くなれると思う。本人の心境は知らないが、僕はそう思う。彼女は何時もニコニコしており、愛くるしい面をもっている。

きっと千里と美咲もそのような一面のおかげもあり仲良くなったのだと思う。

僕の知る限り、千里はスポーツ女子で体を動かすことが好きなイメージだ。どちらかというと男まさりで、恋愛には無関心に見える。男からすると絡みやすいタイプだと思う。

美咲は、小柄で人懐っこい性格をしていると思う。男子からも人気が一定数あるように感じる。僕は男友達が少ないのではっきりしたことはわからないのだが。

僕は、あまり彼女達、千里と美咲と深く話したことはない。彼女達と仲が良いのは実だ。

実はきっと奈那美のことが好きだ。だからこそ、奈那美より千里と美咲とよく話してしまうのだろう。男心は女心以上に難しいと思う。

1日目の自由行動は、清水寺を目指すことになった(なっていたのが正しい)。

もちろん僕も皆んな何回も行ったことがあるという。定番だけあって京都に行ったら見ないと気がすまないと思う。

2日目の予定、3日目の予定と事細かく決まっていった。僕は、殆ど意見を出さず、千里と美咲の話し会いに実と奈那美がタイミングよく相槌をうち終了した。

私がヨシオと初めて話した時の記憶はあまりない。無口だけど何処かきになる存在だった。

とうとう、明日から修学旅行だ。荷物を詰めていると何時も思うことがある。シャンプーは自分の髪質に合ったものを専用の小さなボトルに詰め替え持っていかなければいけない。男子より準備しなければいけないものが多い。

ホテルに置いてあるものを使えばいいと思うかもしれないが、髪の毛がパサパサになってしまったら起きてからのアイロンが大変なのである。>

準備に飽きてきたら何時ものように千里に電話をする。

千里はニコール以内に必ずでる。逆にいえばニコールを以上コールした場合、いくらコールをしても出ない。

わかりやすくて電話しやすい。しかも、連絡があればすぐに折り返してくれるため安心する。

それに比べ美咲は気分屋だと思う。出たり出なかったりする。だから、緊急の時やすぐ話したいことがあるときは千里に電話をかける。

多分、千里も同じだろう。

千里と何時間か話した後、時計が10時を指しているのをみて慌てて電話を切った。本格的に準備をしないと間に合わない。

最後の手段としてお母さんに頼むことにした。

案の定、予期していたのかテキパキ用意して頼んでから15分くらいで荷造りが終わった。私も将来、こうなれるのか少し不安になった。

そのようなことを思っているとお母さんが修学旅行のしおりをみて聞いてきた。「ヨシオ君とまた、班一緒なんだね笑。仲が良くて羨ましいわー。」私はすかさず「たまたまだよ。偶然。昔からの知り合いだからやりやすいってのもあるからさー。」と言った。

すると、お母さんがふと疑問を投げかけてきた。

「奈那美とヨシオ君はいつから仲良くなったんだっけ?」私はすぐに「そんなの、昔からだよ。えーと」と、すぐには出てこなかった。

すると、お母さんとの、話の途中だったが実から電話がかかってきた。その画面をみたお母さんは「奈那美はモテモテだねー」と冷やかしてきた。

私は「もう、部屋から出てって」と少し大きめの声で言った。

実とはどっちがトランプ持ってくだの、ウノいる?だのたわいもない話しかしてない。

夜12時、お風呂に入って布団にくるまった。気持ちよかった。寝る前に、ふとお母さんとの会話を思い返していた。

私もふとヨシオといつから友達なのか気になり始めた。それから少しして眠りについた。

修学旅行当日、いつもよりはやく学校に集合だった。私は、昨日半分以上お母さんに荷造りを手伝ってもらった旅行バックを持って勢いよく家を出た。

京都へは学校集合で、クラス毎のバスで行くことになっている。高速道路を使って約5時間の長旅だ。

朝早いのも京都から時間がかかるのが原因らしい。私達生徒的には少しでも長くみんなでワイワイしたいのでむしろ好都合だった。

4クラスあるので前から2番目に出発した。窓から後ろのバスを見ると綺麗に一列に並んでいた。

とうとう、修学旅行が始まるのだと高揚感に浸った。

私が自分の世界に浸っていることを知るわけもない実が後ろの席からいきなり、「奈那美!ウノやるぞ。」と言い出した。

バスでウノをやるのは間の席に座っている私達がとても疲れる。

前の席には美咲と薫が座っている。私の隣には千里、実の隣にはヨシオが座っている。美咲と薫が2人で座っている。他の班は男と女が隣り合わせで座っているところが多い。

男同士女同士で座ると、必ず男と女の隣り合わせ席が一つだけできてしまうから平等にしているのだ。

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私達はジャンケンで勝った人から番号をつけてその番号と予め座席につけた番号の所へ座るようにして、こうなった。

結局、ウノを少しやり少し喋り少し寝て12時くらいに京都へ着いた。

バスを降りて大きな駐車場で班毎に並ばされた。すると、6年3組の担任の先生が「実達の班」出発と大きな声でいった。

私達は実に続いて歩き出した。まずは、当初の予定通り清水寺へ行くことにした。その前に少し背伸びをして喫茶店でお昼ご飯を食べることにした。

実るが勢いよく扉を開けると扉についている鈴が大きな音を立てた。

喫茶店のオーナーが少し困った顔して「いらっしゃいませ。何名様ですか?」と聞いてきた。

実は、大きな音を出すと迷惑だと理解しておらず、またもや大きな声で「6 人です。」と言った。私は少し恥ずかしくなった。

煙草の匂いがして、周りはスーツをきたおじさん達が新聞を読みながらご飯を食べている。ファミリーレストランでは見ない光景が広がっていた。

お水を持ってきてくれた店員さんは綺麗なお姉さんでヒィールを履いており私は自分の足元が急に恥ずかしくなった。

修学旅行というものは先生からよく歩き慣れたスニーカーで、来るようにと言われているからだ。

とても綺麗とは言えないオシャレでもない白いスニーカーを見られている感じがした。

私だけだったろうか、早く店から出たいと感じたのは。やはり。年相応というものがあることを学んだ。

ご飯を食べていよいよ、清水寺行きのバスに乗った。バスの中は見渡す限り修学旅行であろう同じ年くらいの子で一杯だった。

喫茶店で過ごしたあの時間が嘘のような、非現実的な気持ちになった。

バスが清水寺の最寄りのバス停についた。一斉にたくさんの人が降りる。みんなと一緒に降りるので必死だ。

そこから、坂道を登り八ツ橋の試食を堪能し清水寺まで辿り着いた。

何回か行ったことがあったが友達だけでくるのは何時もと違う気持ちの高ぶりを感じた。

入場料を支払い清水の舞台からみる景色は絶景だった。ふと時計をみたら午後3 時を指していた。

5時には今日泊まるホテルに帰らなければいけないため、慌てて坂道を下った。

帰りのバス停がわからずさまよっていたためあっという間に時間が経ち、次に行こうとしていた所に行くことができないと判断し、ホテル行きのバスを探した。

冷静な薫の状況判断によりホテル行きが決定し、ホテル行きのバスが見つかった。

バスに乗りホテルについたのは、16時30分。少し早かったが次の場所に行っていたら間に合わなかっただろう。

予定に無理があったのか清水寺で時間を使いすぎたのかわからないが楽しかったから問題ないと思った。

ホテルでのクラス全員の食事が終わり、各自の部屋に戻った。部屋は男女一緒ではなく班毎の男と女で分かれている。

私は、いつもは夜中電話で話している千里とずっと喋れるのでテンションが上がっている。

電話だとあまりでないが美咲は直接話すと止まらない。眠れない夜がやって来た。

夜のホテル恒例の、好きな人について話し合った。もちろん私は好きまではいかないがヨシオの事が気になっていることを言った。

2人はベッドで横になりながら「やっぱりー」と大声で言った。少し恥ずかしくなった。2 人からの質問責めにあい、渋々答えていた。

すると、千里から「いつから好きなの?」っと聞かれ、答えようとしたが分からなかった。美咲は好きな気持ちは突然湧いてくるから分からないものだよ。と言ってきたが、そのような事ではなく単純に分からないのだ。

いつから友達なのだろう。いつから好きなのだろう。昔からだという気持ちがあるが、実際はいつからだろう。

思い出そうとすればするほど謎が思い出される。こんな不思議な体験をしたのは初めてだ。むしろ恐ろしささえある。そのまま、時間が経ち気づいたら寝てしまっていた。

次の日の朝、自由行動2日目点呼がとられた。班員は5 人になっていた。ヨシオという存在がなくなっていた。

私だけがヨシオの存在を覚えているようだった。私も周りに確認を取ることはしなくそのまま修学旅行を続けた。

昨日の夜から世界が変わった。千里と美咲と話終わり寝ていた時夢の中にヨシオが出てきたのだ。

また、迎えにくると言われた記憶がある。ヨシオは一旦帰ると言っていた。夢だったせいかすんなり受け入れられた。

私は、ヨシオが迎えにくるまでの時間を楽しむことにした。

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